病院には全ての患者を平等に診察、対応する義務があるため、余程の事情がない限り、患者を受け入れなくてはなりません。
しかし、これからの日本で現在と同じように皆が平等かつ確実に医療を受けられるかについては、若干の不安が残ります。
3人に1人が高齢者という超高齢化社会に突入する時代が近づいている現在、今後増え続ける高齢者の加齢による病気、痛みなどに対応できるようにするためには、圧倒的に医療人口が足りないと言う問題があるためです。
特に看護師不足は重要な問題になると予測されているため、ほとんどの病院では今いる看護師を確保するために様々な対策を行っています。
例えば、妊娠した看護師を力仕事の無い部署に異動させたり、充実した産休制度や忙しくても休憩を取れるようにしたり、無意味な残業を廃止する労働環境の改善を行ったりといったことです。
なぜここまで各病院が看護師の確保に力を入れるかというと、看護師の離職率が他の職業に比べて高いためです。
手に職を持っている看護師は資格を生かして転職しやすいこともあり、毎年の離職率は全ての病院を平均すると常勤の看護師が12%、新卒の看護師が7%、計19%となっています。
離職する看護師が増えることで、新しい看護師が増えても看護師の総人数は増えない上、仕事に慣れた人が減り業務がスムーズにいかなくなるという問題も生じています。
そのため、各病院は離職者を減らし新卒者が長く働ける環境を整えるよう、懸命に努力しています。